Webメディアの運営が一定の規模を超え、関わる人数や役割が増えてくると、これまで問題なく使えていたCMSに違和感を覚えるケースが増えてきます。
更新作業が思うように進まない、改善施策が止まる、ちょっとした変更にも時間がかかる。こうした状況に直面すると、多くの担当者は「CMSを変えるべきか」を考え始めます。

しかし実際には、CMSそのものではなく、運用体制や役割分担の変化にツールが追いついていないことが原因になっている場合が少なくありません。
本記事では、Webメディアの体制拡大フェーズで起きやすい「CMS以前の違和感」を整理し、CMS検討に入る前に見直すべきポイントを解説します。

体制拡大フェーズでCMSに違和感が出始める理由

Webメディアは、立ち上げ期と成長期では求められる運用の形が大きく異なります。
少人数で運営しているうちは問題にならなかったことも、編集者・Web担当者・開発者と役割が分かれ始めると、一気に表面化します。

この段階で起きているのは、CMSの性能不足ではなく、運用構造の変化です。
その変化に気づかないままCMSだけを評価してしまうと、導入後も同じ問題を繰り返すことになります。
 

体制拡大フェーズで起きやすい5つの違和感

1. 編集者と開発者の“認識ズレ”が増える

どこまで編集側で触っていいのか分からず、開発側は「勝手に触られるのが怖い」と感じる。結果として、軽微な変更でもやり取りが増え、スピードが落ちます。

2. 更新作業が特定の人に集中する

CMS操作に慣れている人だけが対応する状態になり、休むと止まる、異動すると引き継げない。これはツールではなく、運用設計の問題です。

3. フロントの自由度が運用の足かせになる

デザインや表示の自由度が高いほど、「触るのが怖い」「影響範囲が読めない」状態になりがちです。

4. ルールが暗黙知化している

タグの付け方や記事の更新フロー、公開判断の基準が人に依存し、運用ルールがドキュメント化されていない状態です。

5. 改善したいのに“実験できない”

ABテストやUI改善、構成変更など、やりたいことは増えているのに、試すたびに調整や実装が必要になり、気軽に試せません。
 

CMSを変えても解決しないケースとは

これらの違和感は、CMSを別の製品に置き換えただけでは解消されないことがほとんどです。
なぜなら問題の本質は、誰が・どこまで・何を責任範囲として扱うのかが整理されていない点にあるからです。

運用の前提が曖昧なままCMSを選定しても、「使いにくい」「結局一部の人しか触れない」といった状態に陥りやすくなります。
 

CMS検討前に整理すべき「運用の前提」

CMSを検討する前に、少なくとも次の3点は整理しておく必要があります。

  • 編集・運用・開発の役割分担
  • 編集者が安心して触れる範囲
  • 改善や変更を試せる余白

これらが明確になることで、初めて「自社の運用に合うCMSとは何か」を正しく判断できるようになります。
 

まとめ:CMS選定は組織設計の延長にある

CMSは、単なる制作ツールではありません。
Webメディアを長期的に運営し、体制が変わっても使い続けるための基盤です。

もし現在、

  • 運用が回りにくくなってきた
  • 体制拡大に不安を感じている
  • 将来の引き継ぎや改善が見えづらい

と感じているなら、CMSを変える前に、運用の前提を一度見直してみる価値があります。
CMS選定は、組織設計の延長線上にある判断です。
 

この記事を書いた人
BERYL
BERYL編集部
「BERYL編集部」は、Web制作、CMS関連、Webマーケティング、コンテンツマーケティング、オウンドメディアなど、多岐にわたる分野で専門的な記事を制作しています。デジタル領域における最新の技術動向や実践的な事例を通じて、マーケティング戦略を強化するための情報を発信いたします。 また、SEO対策やコンテンツの最適化にも注力。ユーザー目線でわかりやすく解説し、企業のマーケティング活動やコンテンツ運営をサポートします。